デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション　前章 : 象のロケット≪映画DVD総合ナビゲーター≫

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション　前章

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3月22日より全国公開中

(C)浅野いにお/小学館/DeDeDeDe Committee
配給：ギャガ

2024年製作日　（120 min）

監督：黒川智之　ぼくらのよあけ　デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション　後章公
出演者：
（声）幾多りら、あの、他　デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション　後章公

あらすじ：小山門出（こやま・かどで）は、国民的まんがキャラクター“イソベやん”を溺愛し、担任・渡良瀬に片思い中。　“おんたん”こと中川凰蘭（なかがわ・おうらん）は、戦争ゲームオタクで、門出の小学校からの親友。　受験勉強に追われつつもハイテンションな女子高生ライフを送る2人が暮らす東京の上空には、3年前の8月31日、突如宇宙から襲来し未曽有の事態を引き起こした巨大な＜母艦＞が浮かんでいた…。　アニメーション前章。

原作：浅野いにお

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地球が破滅（デストラクション）の危機にあるかもしれないのに、思いっきり青春を謳歌している女子高生たち。　宇宙からやって来た“侵略者”のことは棚上げし、まずは受験の心配をすべきなのか？　一見平和な日常が、少しずつ不安に蝕まれてゆきます。

≪デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション≫シリーズ
『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション　前章』
『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション　後章』

＜スタッフ厳選超お薦め映画作品！＞
★★★★
第二次世界大戦後の日本で育った私たちの大半は、もう戦争、飢餓、伝染病などで死ぬことはほぼないだろうと思っていたはず。しかし、3.11大地震・台風・豪雨などの自然災害、薬で止められぬ感染症の流行、紛争や政治的対立の緊張、経済危機、大規模な詐欺、飛行機の墜落など、様々な困難が相次ぎ、命の危機が身近に感じられるようになった。「気をつけてね」と言われても「気をつけようがない」と返事してしまう状態。誰が被害者、被災者、患者、破産者になってもおかしくない世の中だ。そんな時でも、飯を食い、酒を飲み、風呂に入り、電車や飛行機に乗る日常は続いている。

　
さて、本作の舞台は東京。3年前の8月31日（8.31）に巨大な宇宙船が飛来してきて、その母艦が東京上空に留まり続けている。自衛隊と“侵略者”との空中での小さな戦闘は日常化しており、母艦のせいで日が当たらないと日照権を訴える人、放射能のような“A線”公害を恐れ地方へ移住する集団、“侵略者”の排除・抹殺を実行する自警組織、宇宙人との共存を唱える平和主義デモ隊、未来が見えない諦め派、ネット世界に埋没する者等、様々な考えを持つ人が登場する。

そんな中でも、学校生活は通常通り。主人公の小山門出（こやま・かどで：声・幾田りら）は漫画キャラ“イソベやん”を愛読し、担任の渡良瀬（声・坂泰斗）に片思い中。親友の“おんたん”こと中川凰蘭（なかがわ・おうらん：声・あの）は戦闘ゲームに夢中。栗原キホはSNS情報に踊らされる小比類巻健一と交際中。平間凜は無口だがBLボーイズラブに傾倒、出元亜衣は弟たちの面倒をよく見る姉貴で、仲良しの彼女たちはごく普通の女子高生ライフを満喫している。門出の両親は共に編集者で、父ノブオは8.31時に行方不明となり、母・真奈美は中年男と交際中。“おんたん”の父は「中川自動車」の経営者で、母は区議選立候補者、兄ひろしはネット情報の“監視”に忙しい引き籠り。私はこのひろしのキャラクターが気に入っている。

東京上空の母艦の中にいるはずの“侵略者”は大きな攻撃をしてこないので、彼らの目的が分からない。このまま上空に浮かんで居るだけなのか、地球人が侵略者の奴隷となるのか抹殺されるのか、逆に地球人が侵略者を撲滅するのか、地球が破滅するのか、先が読めない。一見平和な日常が、少しずつ不安に蝕まれてゆく。誰もが宇宙船を、気にしないようで気にしていた。それでも取り敢えず少し先のことも考えなくてはならない。例えば受験、就職、結婚、コンサートやゲームとか…。

やがて、登場人物たちが単なる宇宙船の傍観者ではないことが分かってくる。門出と“おんたん”の子どもの頃の話、“侵略者”とのかかわり、デストラクション（破滅）の意味について、後章ではもっと明らかになっていく…と思うので、ここで詳しくは書かないことにする。平和な日常と世界の破滅が隣り合わせなのは、私たちだって同じこと。人類は地球でいつまで暮らせるのかと、ちょっぴり胸がザワザワしてくるSFアニメ。お薦め作品だ。

（象のロケット映画・ビデオ部　並木）

＜作品評価システム＞と＜高度マッチングシステム＞

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