リスボンに誘われて


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リスボンに誘われて
(C)2012 Studio Hamburg FilmProduktion GmbH / C-Films AG / C-Films Deutschland GmbH / Cinemate SA.
DVD \3,800(税抜)2015/4/2発売:キノフィルムズ/販売:ポニーキャニオン
2012年製作 独・スイス・ポルトガル  (111 min)

監督:ビレ・アウグスト  レ・ミゼラブル   マンデラの名もなき看守  愛の風景  ペレ
出演者:
ジェレミー・アイアンズ  ダンジョン&ドラゴン  仮面の男  ある天文学者の恋文  永遠のマリア・カラス
メラニー・ロラン  イングロリアス・バスターズ  オーケストラ!  黄色い星の子供たち  複製された男
ジャック・ヒューストン  高慢と偏見とゾンビ  人生はシネマティック!  ファクトリー・ガール

マルティナ・ゲデックトム・コートネイアウグスト・ディールブルーノ・ガンツ
あらすじ:スイスの首都ベルンの男性高校教師ライムント・グレゴリウスは、吊り橋から飛び降りようとしていた女性を引き留める。 彼女が残した1冊の本には、ポルトガルの首都リスボン行きの切符が挟まれていた。 駅へ向かった彼は、発車しかけた夜行列車に飛び乗ってしまう。 車中で読んだ本に心を奪われた彼は、革命闘士だった著者アマデウ・デ・プラドの家を訪ねることに…。 ヒューマンドラマ。 ≪1行目で心が動き、2ページ目で列車に飛び乗り、3章目で人生が変わった。≫

原作:パスカル・メルシエ『リスボンへの夜行列車』
ストーリー展開のおもしろさ-2012年 感動-2012年 笑いたい-2012年 ほのぼの-2012年 恐怖-2012年 音楽・ダンス-2012年 マークをクリック!
何の準備もせず、すべてを投げ出し、遠くの街へ。 そんなことをするような人物には見えない年配の教師ライムントを衝き動かしたのは、無名の作家が書いた古い本「言葉の金細工師」。 椅子に座って読むことだけが読書ではありません。 そして本の内容を全て理解できたとしても、読書はそこで終わりではありません。 究極の読書を実現する、夢のような大人の冒険物語です。

【アマデウたち若者が目指した革命とは】
1910年に王政から共和制に移行したポルトガルではクーデターが繰り返された。 その後、1932年に首相に就任したアントニオ・サラザールの「新国家体制」による独裁は、第二次世界大戦後も、更に彼の死後も継続され、国民の自由が奪われる暗い時代は40年以上も続いた。 政治警察PIDEが反体制派の抵抗運動を徹底的に弾圧し、危険分子や政治犯は拷問を受けたり、旧植民地にあるタラファル収容所へ送られたりした。 1974年4月25日、若手将校が結成した「国軍運動」を中心とする、ほとんど無血の軍事クーデターによってサラザール体制は崩壊した。 革命軍兵士たちが銃口に差したことから、赤いカーネーションが革命のシンボルとなった。 (資料提供:キノフィルムズ)
<スタッフ厳選 超お薦め映画作品!>
★★★★★
退屈な毎日を過ごしている人は波乱万丈な人生に憧れ、浮き沈みの多い人生を送っている人は、平凡な暮らしに憧れる。人生は簡単には変えられないが、本や演劇、映画、新聞、テレビ、インターネットなどでは、思いがけない世界や人生に触れることができる。もちろん、それはあくまでも疑似体験。世の中を何となく「知ったつもり」でいたけれど、社会に出てみたら、疑似体験と現実の差に愕然としたという方は多いはずだ。 しかし、本や映画が、人生を変えるヒントを与えてくれることは確かにある。
 
主人公の初老の男ライムント(ジェレミー・アイアンズ)は、スイス・ベルンの高校教師。自殺しようとしていた若い女を追いかけ、ポルトガル・リスボン行きの夜行列車に飛び乗ってしまう。彼が恋に落ちたのは女ではなく、何と女が残していった一冊の本! 彼は、自分の考えが全て書かれているような本『言葉の金細工師』に出会ってしまった。そしてその著者である医師アマデウ・デ・プラド(ジャック・ヒューストン)の思想や人生を理解するため、彼や彼を知る人々に会いに行くというストーリーだ。
 
本作の原作は2004年に出版された『リスボンへの夜行列車』で、著者パスカル・メルシエは、1944年スイス生まれの哲学者。そのせいか、断片的に紹介されるアマデウの文章は、底なし沼のように深い。興味津々で分厚い原作も読んだのだが、原作中のアマデウの文章は膨大で、更に難しかった。
 
映画は省くところは省き脚色を加え、わかりやすく美しいドラマになっている。映像、音楽、セリフ、全てが印象的だ。老人たち(トム・コートネイ、ブルーノ・ガンツ、シャーロット・ランプリング、レナ・オリン、クリストファー・リー)は、まるでライムントを待っていたかのように沈黙を破り、アマデウのこと、革命前後のことを語り始める。

スイスとポルトガルでは気候が違う。太陽がまぶしく、ライムントが、まるで初めて外の光を浴びた人間のように見えてくる。彼が訪ねるのは、病院、薬局、介護施設、墓地など、ロマンチックとは程遠い所ばかりなのに、どれもが絵になり、旅情がかきたてられる。観光スポットはさりげなく入っている方がいい。ライムントとリスボンの女医マリアナ(マルティナ・ゲデック)との、微妙な関係の行方も気になる。

革命闘士たちの青春、アマデウとジョルジュ(アウグスト・ディール)の友情、エステファニア(メラニー・ロラン)との激しい恋の真相を知れば知るほど圧倒され、ライムントは自分自身を見つめ直す。本に埋もれるような毎日を送っていた彼は、本の外に人生があることに気づくのだ。

椅子に座って読むことだけが読書ではない。そして本の内容を全て理解できたとしても、読書はそこで終わりではない。1冊の本が、転機をもたらすこともある。年配の方は若き日の人生の岐路を思い起こし、若い方は旅に出たくなるかもしれない。結果、人生が変わるかどうかは、あなた次第。究極の読書を成し遂げた、夢のような大人の冒険旅行物語。お薦め作品だ。
(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)
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