彼女が消えた浜辺:作品を観た感想(16)

銀熊の罠.. 「彼女が消えた浜辺」
彼女が消えたのは政治的陰謀かテロ、あるいはスパイ?と思って見たが、まるで違っていた^^; 深刻ぶった演出でベルリン監督賞とのことだが、ようするに海に遊びに来るんなら子供はしっかり見ておけ、人に頼むんじゃない、子供だけでなく大人だって溺れるよ。というだけのことなのだ。イラン情勢を映す映画として見ると肩すかしを食らう。いわゆるサスペンスであり、こんなエンタテイメント作品も作られるという意味では多少はイラン情勢が伺える、という程度の作品。
シネマ走り書き
2011年5月28日

彼女が消えた浜辺
★★★ エリは海辺で忽然と姿を消してしまった。もしかして何も言わずに帰ってしまったのか、それとも海での事故にあってしまったのかと憶測が飛ぶ中、実は、セピデーはエリの本名すら知らなかったという…。イラン映画はたぶん初めてだと思うのですが、淡々としているわりにミステリアスな雰囲気があって飽きずに観られました。観ていくと社会的な事情も背景にあって、イランという国の一面を知ることができましたが、一見自由そうに見えてイラン人女性はまだまだなんだなと思う作品でした。良い作品だと思います。
新・映画鑑賞☆日記・・・
2011年5月18日

彼女が消えた浜辺
悲しい物語でした。自由に生きたいと思った一人の女性が、運命に落ちていくように消えてしまいます。そのことをきっかけに浮かび上がってくる真実に、仲間たちは追い詰められます。彼らの焦っている姿に、イランの文化や考え方が見えてくるのが興味深かったです。それは、彼らから観れば道徳や宗教とあいまって大きな罪になってしまう。彼らが下した判断の重さは、しばらくドーンと胸に来たままでした。独特の倫理観と道徳観は女性には厳しい社会になっているのだなと感じました。この世界の息苦しさがしばらく心に残ってしまった1本です。
とりあえず、コメントです
2011年3月31日

『彼女が消えた浜辺』
事情がよく分からない幼い子供たちだけが無邪気に駆け回る中、その場にいる大人達はそれぞれに深く深く、非情の浜辺に足をとられていた。どんなに欧州化が進むイランにおいても、生きている以上ひとには様々なしがらみと自己防衛によるエゴイズムが蔦のように絡まり合う。さらにイスラム社会の中に生きる彼らにとっては、どんなに抜け出そうとしてもまだまだ抜け出せない、社会のしがらみがある。エリは浜辺に1つ課題を残した。社会に生きる以上、人である以上、逃れられない永遠の課題を。
シネマな時間に考察を。
2010年11月5日

彼女が消えた浜辺 【印象度:70】
★★★ 序盤での親しい者同士での旅行の楽しい雰囲気、ふざけあい、中盤でのハプニング時の緊迫感、失踪後の疲弊、後悔、思惑のすれ違いなど、役者は皆よく演じていると思います。映像の撮り方もうまいです。中盤までは、非常に良質な映画の雰囲気が感じられ、期待感が高まっていくのですが、大の男たちがバレーボールで遊んでいたという落ち度があまりに大きすぎて…。登場人物達が、その落ち度がないこととしてふるまっているのも驚きです。このおかげで、その後も一展開あるのですが、すべて瑣末事に思われてしまい、中途半端に終わってしまったように感じました。
蚊も無視する・・・そんなブログ
2010年10月18日

『彼女が消えた浜辺』 あなたは何を知っているのか?
起こるのは日常的な出来事ばかりだ。ところが、計算違いのことが少しずつ積み重なっていく。そして一人の女性の姿が見えなくなる。やがて、人々のウソやごまかしの果てに一つの質問が浮上する。それはイエスかノーかで答えられるごく単純な質問。しかしその質問でさえも、ほんの少しタイミングが違うだけで答えが変わってくる。人によっては、その答えを一生かみしめることになるというのに。イエスになるもノーになるも偶然の産物でしかない。いったい、私たちが真実だと思って掴みとっているものは何なのか。本作は、そんなやり切れなさを残す映画だ。
映画のブログ
2010年10月5日

「彼女が消えた浜辺」
この映画は失踪事件を描くサスペンスではなく、エリを誘ったセピデーを主人公に、とんでもないことが起こってしまった事実に慌てふためき、どうして良いか分からず途方に暮れる彼らの姿を執拗に負う辛口のヒューマン・ドラマ。責任を問われるセピデーは嘘で嘘を塗り固め、それを攻める夫はとうとう彼女に暴力を振るう始末。エリには色々と事情があったようだが、革新的な女性であったろうと想像する。最初はどんなストーリーが展開されるのか全く予想がつかなくて、つまらないかも知れない?なんて思っていたのは間違いだった。
ヨーロッパ映画を観よう!
2010年10月2日

彼女が消えた浜辺
★★★★ 別荘の内部と自動車という二つの大きな枠組みの中で、ある女性を巡り次々と謎が生まれてきますが、そこに、人は他人について随分と曖昧な情報しか持っていないのではといった普遍的なものから、人に対するイランの伝統的な見方といった特殊な事柄に至るまで、実に様々なレベルの視点をこの映画の中に注ぎ込んでいて、全体として優れた作品になっています。
映画的・絵画的・音楽的
2010年10月2日

*彼女が消えた浜辺*
この映画自体が少しドキュメンタリータッチであるので、事故シーンも自然だからこその迫力に満ちています。そして‥気付くとエリがいない。ある人物の登場によって、エリの置かれていた状況がわかり、ここでようやく"イラン特有のしきたり"が出てくる。しかし…、段々と背景や理由が見えてくるものの以前とした彼女の行方はわからないまま‥こちらまでものすごく不安で、見ていてとっても辛いです。それに追い打ちをかけるのが波の音。これがなんとも言えない余韻が残る作品でもあり、なんだかあの人たちが懐かしくなってしまうし、とても不思議。
Cartouche
2010年9月28日

「彼女が消えた浜辺」 その国「独自」あるいは「普遍的に共通」な感性
彼女は死んだのか?それともただの失踪か? グループ各々のメンバーがおかれた状況や個性の違いから出てくる「アク」 このぶつかり合いがリアルで目が離せない。それほど複雑怪奇な状況ではないところが、その「アク」を理解しやすく出来ている。一方、クライマックスでは、日本と微妙に違う「倫理観」が表出し、ここも興味深い。それを軸として「本音」と「ウソ」をめぐっての議論がまきおこる。この「共通する認識部分」と「国民性の違いが明らかに露出する部分」を感じて楽しめるのが、この映画の楽しみ方。良く知らない国をかいま見れるというのは、実に映画の醍醐味!
日々 是 変化ナリ
2010年9月26日

「彼女が消えた浜辺」
.★★★★ 秀逸なのは、エリの行方不明をきっかけとして、仲の良かった家族、夫婦の間に、少しづつ亀裂が生じて行くさまを実にリアルに、かつ辛辣に描いている部分である。一見、不条理な展開を配する事によって、現代の不安、人間の心に潜む闇を巧みに掬い上げ、かつ人間のエゴ、欺瞞性、政治体制への鬱屈、自由への願望…等、さまざまなテーマをも網羅し、鋭く追及する事に成功している。エリが消えた理由については、観た人がそれぞれ、いろんな推測をするといい。観る角度によって、また違うものが見えて来るかも知れない。そういう映画は好きだし、また面白い。
お楽しみはココからだ
2010年9月24日

彼女が消えた浜辺/ABOUT ELLY
★★★ ひとつの嘘から秘密が生まれ、責任転嫁、さらには知ってしまった嘘を隠そうと余計につじつまが合わなくなりまた別の言い訳がうまれ、、、せっかくのバカンスが暗転する。男女の恋愛に関しても日本よりも厳しく重い。結局、見つかった女性の姿は映し出されるものの、定かではないという謎…。謎ときではない。舞台にもなりそうな密室劇でした〜。抑揚がついて盛り上がるようなストーリーではなく、ゆっくり進む構成が少し長くも感じたし、ちょっと物足りなかった。余韻が残る作品ではあるけど、面白いというのとはちょっと違うかなぁ。
我想一個人映画美的女人blog
2010年9月24日

彼女が消えた浜辺
エリが失踪してからの残された7人の不安や焦燥がやがて、それぞれの不満やエゴが出てきて、家に帰りたいとか、密かに勧めていたセピデーの思惑を非難する夫など、仲の良かった7人に溝ができていく様は中々見もの。…イランではタブーなんですね。旅行に誘い、あげくに男性を紹介するなんて言語道断。セピデーの告白に残りのメンバーの顔色が一斉に変わるあたり、イスラム教の縛りが結構厳しいんだなと感じた。イラン映画って初めてで、イマイチ期待値は低かったんですが、これは中々に見応えある良い作品でした。
だらだら無気力ブログ
2010年9月22日

彼女が消えた浜辺・・・・・評価額1750円
.★★★★★ 本作のポイントは、事件の原因を作ってしまったセピデーが、基本的に善意の人であるというところだろう。だがセピデーの問題は、その善意が一体誰のためなのかが自分でもわからなくなっている事だ。物語ではセピデーの小さな善意の嘘が、結果的に関わった全ての人間関係をグチャグチャにしてしまうのだが、それによって浮かび上がったのは、人間という存在の何ともミステリアスな複雑さだ。エリを探す事は、実は人間を探す事なのである。我々は、知っていると思っている身近な人を、或いは自分自身を本当に知っているのだろうか?
ノラネコの呑んで観るシネマ
2010年9月18日

彼女が消えた浜辺
★★★ エリが溺死したのか、"お見合い"が嫌で失踪したのか分からず、みんな気まずいからなかなか正直に伝えられないという事情がある。しかも宿泊先の別荘は携帯が通じず、車で受信できる場所まで移動しなければならないので情報を同時にみんなが共有することができないから、お互いにワケワカメな状況になってしまう。一応、セピデーは「エリには兄弟がいない」と言うが、エリの正式な名前すら知らない癖にいい加減なこと言うなよ、とツッコミ入れたくなる。結局、肝心なことが全て伝聞と推測。波に洗われる車はその象徴のようで。
佐藤秀の徒然幻視録
2010年9月15日

彼女が消えた浜辺
.★★★★ 脚本的にもにも見事に騙されましたが、このセピデー役のゴルシフテ・ファラハニを筆頭に、イラン人俳優は今まで接する機会が少ないせいか、演技と通常の境目が全く解りません。彼らの刻々と変化していく心理状態、そして自己保身と良心の間の葛藤といった濃密でリアルな人間描写は[瞳の奥の秘密]に勝るとも劣らない完成度でした。変わらぬ伝統的な社会規範もあり、同時に中流階級の新たな生活や思考の一面もある。それはどこの国でも等しくある伝統と革新の両立。その意味では人間の営みなどそう変わるものではないのだと改めて実感したのでした。
LOVE Cinemas 調布
2010年9月15日


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