白痴 (’51年製作):作品を観た感想(1)

『白痴』 (1951)
本作は、黒澤監督が満を持してドストエフスキーの古典の翻案に挑んだ異色作。一般的に黒澤映画最大の失敗作と名高い一本である。さすがに原作を読み込み、愛し抜いた監督だけに、メイン4人のキャラクターはそのまんま原作から抜け出たようにスクリーン内を躍動。上記したテーマの核を、激情溢れる演技で見事に表現している。クライマックス、蔵の中で亀田と赤間が織り成す長回しの異様な迫力は、一見の価値アリ!最大の失敗作が、実は最高傑作であったかもしれない。
相木悟の映画評
2014年10月26日

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