わたしを離さないで:作品を観た感想(28)

「わたしを離さないで」
★★★★ SF的設定でありながら、文学的な作品。人間の命の尊さを静かに訴える。キャリー・マリガンの幼い頃を演じたイゾベル・ミークル=スモールという少女が、すごく、かわいい!成長してからを演じるキャリー・マリガンも素晴らしい。人間の命について考えさせられる、切ない秀作。
或る日の出来事
2016年2月5日

わたしを離さないで
★★★★ “提供”という名のとっても重い話。メインのお三方の演技が良かったです。特にキャリー・マリガンが印象に残りました。イギリスを舞台に田園風景も静かで美しいだけに切ない作品でした。
☆yukarinの映画鑑賞ぷらす日記☆
2016年2月3日

わたしを離さないで (2010)
★★★★★ “もしも〜シリーズ”なので、割と抵抗なくこの世界観を受け入れる事ができました。テーマは“命の意味”登場人物3人を軸とした青春恋愛物語でもありますもう辛くて切なくて悲しくて “こんな世界はイヤだっ!!”BEST10入り確定です。物語は非常に淡々と進んでいきます どんな運命に生まれついても同じ人間 命の重さに違いがあるのか? 宿った魂に違いが? 未だに余韻を引きずっている感慨深い作品でした。ステキ作品!
肩ログ
2012年6月2日

わたしを離さないで
★★★★ 救う命と、救うための命にどれだけの違いがあるか分からないか。 純粋培養で手塩にかけて育てられた子はともかく、貧困層で売られた子はどうなんだろう。「闇の子供たち」とか。 親もいなくて、ただ売春を強要され、生き地獄を味わい、大人になったらもう誰からも同情されない。それだったら、誰かの為に…、と思ってしまう。
食はすべての源なり。
2011年12月14日

わたしを離さないで
劇的な展開はありませんが、その静謐さは繊細な心の機微を映し取るのにピッタリだったと思います。キャリー・マリガンの憂いを含んだ瞳と繊細な表情が、物哀しく切なかった。
いやいやえん
2011年12月9日

『わたしを離さないで』 訴えられるのは誰か?
この映画は、SFでもあり恋愛物でもあり青春物でもあるかもしれない。しかし、あえて一つのジャンルに分類するなら、本作は余命物である。自分や親しい人が余命いくばくもない状況で、その運命にどう向きあい、残された時間をどう過ごすか。おそらく本作の作り手は、そんなシチュエーションが欲しくてこの設定を考えたのだろう。劇中、彼らは必至に証明しようとする。自分たちには愛があると。愛情を注がれたことがない彼らは、愛があることを証明しなければならないと思ってしまう。何と悲しいことか。「わたしを離さないで」―それはあまりにも悲痛な叫びである。
映画のブログ
2011年5月19日

□映画『わたしを離さないで』
現在より少し前の時代を舞台にした詩情豊かな作品ながらも、扱っている事象はSF的というか、近未来的な内容です。この作品に出演しているのは、キーラ・ナイトレイ、キャリー・マリガン、アンドリュー・ガーフィールドなど錚々たる若手実力派俳優たち。友情の美しさ、そして友情ゆえの嫉妬や、友情ゆえの諦念などは、彼らの素晴らしい演技力ゆえに表現することができたものだと思います。観賞後、どうにもやりきれない思いになってしまう本作。でも、これからの未来に向けての大事なテーマを問いかけている一作だと思います。
Viva La Vida! <ライターCheese >
2011年5月12日

「わたしを離さないで」
ルースはどんどん弱って行く。一方でキャシー介護士となる。いつか自身も…と考えながら見守るキャシーの目が猛烈に哀しげだ。トミーの目も、ルースの目もそうだった。心を持たせてもらえなかった彼らの魂の叫びが聞こえ圧倒される。一番圧倒されたのは、存在感のある女優、シャーロット・ランプリング演じるミス・エミリーの目かも知れない。なんともはや、身につまされるというのか、どうしようもないというのかとんでもない展開のドラマだが、映画の背景に描かれる英国の田園風景がのどかで美しく、過酷で惨い物語が少し緩和されるような気もする。
ヨーロッパ映画を観よう!
2011年5月1日

『わたしを離さないで』(原題:Never Let Me Go)
どうしようもなく残酷な運命の波の中で互いの絆にしがみつき、不器用にあがくしかない人間の姿。ヘールシャムの生徒たちは変えることのできない残酷な運命を背負っています。しかしその運命に抗うことはできず、ただとりとめのない生活を送り、希望を抱いては失望し、あらゆる試みをしても失敗を重ねていきます。映画自体は原作のダイジェスト的な出来となってしまい少々残念でしたが、イメージ通りの映像や人物たちを映画の中で観ることができ、再び原作の感慨を味わうことができました。
arnoldの待ち人手記
2011年4月24日

わたしを離さないで
★★★ SF好きの視点で見れば、彼らの人権問題やコストの問題など、掘り下げられる要素はいくらでもあるんですが、それらはあえて言及されません。SFだからといって敷居が高いということはありませんね。限られた時間の中で夢を見て、恋をして、心を育んでいく若者達。有意義な人生を送りながらも、彼らの人生はあらかじめ定められています。驚いたのが、彼ら全てがその運命を受け入れているということ。まさしく籠の鳥です。そんななかでも愛を育もうとする若者達の姿が印象的であり悲しくもありました。決して派手さはないものの、深く印象に残るラブストーリーでした。
5125年映画の旅
2011年4月19日

「わたしを離さないで」
★★★★ "過酷な運命に抗う事なく、それを静かに受け入れる"という日本人的な考え方は、「わたしを離さないで」という作品に確実に反映されているように私には思える。イシグロは日本生まれの日本人であり、日本人のDNAを確かに受け継いでいる。もう一つ、"人間の果てしない欲望を充たす為に生み出された科学の成果が、別の悲劇を生んでいる"という本作のテーマ。偶然ではあるが、東日本大地震が起きた丁度同じ頃に本作が公開されたという事に、何か運命的な繋がりを私は感じ取った。あなたはどう思われるだろうか。
お楽しみはココからだ
2011年4月18日

わたしを離さないで
近未来SFと捉えるむきもあるようですが、わたしはこれはSFではなく、寓話とかおとぎ話とか、そういう類の話であろうと思います。そこに現れる寓意は、魂が存在することすら否定されて生きることの悲しみであり、どれだけそれを否定されようとも、劣悪な条件の下で成長しようとも、やはりかれらには魂があり、そうである以上、愛することも憎むことも苦しむことも喜びに輝くこともある、ということであり、それにもかかわらず、未来も希望も闘うという選択すら持ち得なかったかれらの、恐ろしいほどの絶望の深さと、そしてやはり、悲しみです。
キノ2
2011年4月17日

*わたしを離さないで*
この作品はSFなのですが、静かで美しい映像でつづられる文芸作品のようでもありました。 そのため実際あったことのように思ってしまって、よりその哀しみがじわじわと伝わってくる 重いけれど、見ごたえある作品でした。ほのぼのとした、でも真剣な恋も、魂を込めて描いたアートも否定されてしまいます。そしてその運命を淡々と受け容れる彼らの姿に、最後言葉もありませんでした。お金があったり強い人間のエゴのヒドさ。色々なことを考えて静かに感動しました。
Cartouche
2011年4月16日

わたしを離さないで
★★★★ 本作品はカズオイシグロ氏の小説に基づいていて、様々の次元でイロイロなことを考えさせる要素を沢山持っており、それらがヘイルシャムの建物とか、海岸沿いのマダムの家といった大変印象深い舞台装置のなかで、演技力のある若手俳優達によって展開され、まれに見る素晴らしい作品に仕上がっているのではと思いました。
映画的・絵画的・音楽的
2011年4月16日

わたしを離さないで(NEVER LET ME GO)
内容的にSFだと思うんですが、時代設定が1970年ごろに置かれていて、建物や生活などがごく普通のなじみある世界で描かれています。その中に異常な制度が自然に生活に溶け込んでいるため、ありえないことであるにもかかわらず、何となく我々のリアルな世界の中でもあり得るんじゃないかと言う感覚になってしまいました。命の大切さはもとより、人間の怖さを感じられた作品でした。いい映画でしたのでご覧になってみてください。以上、ご参考。
シネマクマヤコン
2011年4月11日

『わたしを離さないで』は無自覚に卑屈だよ。
本作は"魂の重さ"を描くが、それは他者によって規定されるものであり、他者と愛し合えばその魂を重くでき、また軽視されれば問答無用で軽くなる。それは我々にとっても他人事ではない。タイトルでもあり主人公が繰り返し聴くカセットテープ"Never let me go"は、私を見放して魂を軽くしないでほしいという魂の叫びにも感じた。他に良かった点としては俳優たちの透明感ある演技。精一杯生きて苦しみながらボロボロになっていくキーラ・ナイトレイが良かったです。
かろうじてインターネット
2011年4月10日

わたしを離さないで
切なく悲しい物語ですが、良かったです。。3人はどんな子供だったのか…。ヘールシャムはどんな所だったのか?そこかしこに秘密の臭いがたちこめていて、子供たちの可愛らしさも魅力的だし、またその演技にも惹きこまれます。そして、子供時代の彼らに感じた予感が現実となる成長し、コテージへと舞台が変わっても3人は変わらず…。宿命という言葉の持つ残酷なまでに冷淡な響き...それでも恋をして、繋がっていたい... その瞬間に観客も立ち会いますが、ルース(キーラ・ナイトレイ)の演技は瞼にも心にも焼きつき、忘れられない…。
to Heart
2011年4月6日

わたしを離さないで /Never let me go
★★★ …重い、なんて切ない‥こんなお話だったとは!どこか変だなというシーンがいくつも挿入されていて、淡々と進むけど興味をそそる。次第に明らかになるにつれ、切なさが加速。人権問題についてもちょっと考えさせられる。あらがえない運命。惹かれた相手と恋したいし、体だって重ねたい、好きなだけ一緒にいたい。彼らの悲しみに、また、校長の家でいわれたように、「かわいそうに、同情するわ」 としか言えない残酷な物語であることに切なくやるせない、救いのなさを感じて幕を閉じた。ルースがあまりに可哀想。あの目が、印象強くて哀しい。
我想一個人映画美的女人blog
2011年4月3日

わたしを離さないで
描かれてゆく物語は、原作小説の中から、主人公たち3人の心情に寄り添う部分を抽出。彼女たちはどんな心境でどこへ向かうのか。その姿を通して、あるいは主人公のラストの言葉で、特殊ではないわたしたちに静かに問いかけてくる、普遍的な主題の作品。それにしても、淡々とした描写の難しいお話を、主要キャストは本当に巧く演じている。小説を未読でご覧になった方で、好きな作品だと思われた方には、是非、小説も読んでいただきたい。ここでは描ききれなかったものが込められていて、一層、この作品への思いが強くなると思うから。
悠雅的生活
2011年4月1日

「わたしを離さないで」 小説世界の具現化は難しい
★★★ ストーリーは衝撃作ともいえるが、SFでこんな未来を他の作品で見たこともある。けれどこの作品で泣けるのは3人の関係だ。こんなことあり得ないと思いつつもしっかりした演出と丁寧な、3人を中心とした心の動きを描いて、リアルというより詩的で、やはり物語の中に入り込んで切ない気持ちになるのだ。劇的な演出が少なく、ともすると盛り上がりに欠けるように感じるが、これは後からしみじみ心に迫る映画だ。見ごたえのある映画だった。ラスト付近で主人公の青年が空を見上げて叫ぶシーンは忘れられない。
soramove
2011年3月30日

わたしを離さないで  静かに静かにじわじわと。(≧д≦)・゚゚・。エーン!!
物語が全く解らないまま疑問符ばかりが脳内に大量生産されていく状態で、ずんずんと映画の描く世界観に引き込まれていった。モノローグでこのお話自体が「架空な世界」だということは示唆されていたので、「ありえない」ってな部分はあっても無理からぬのことだと飲み込むことが出来たのも、この映画を楽しむと言うことではよかった。全体的に郷愁が漂い牧歌的な雰囲気をまといながら、恋愛観の悲壮さやなんともいえない不穏な空気感が漂い、最後の最後まで緊張感と寂寥感が続き、じわじわと、何かが静かに心に織りとなって溜まっていくという映画だった。
労組書記長社労士のブログ
2011年3月30日

わたしを離さないで
★★★ 作品として言いたいことも解るし、出演の若手3人はそれぞれ好き。しかし観終わって堪らなく不愉快にさせられる作品でした。例え子供の頃から教育されて育ったからだとしても、自分たちは世間一般の倫理感から外れていることにだって気付いているはず。どこに逃げても追ってくるのかもしれないけれど、泥臭くどんな卑怯な手段を使っても生き抜くぐらいの気概でいて欲しいのです。生命倫理にもとるようなことを推進しているのがどうやら国らしいというからより一層不愉快。キャシーは想い出の場所で一人涙する、残念ながら私にはその涙に共感は出来ませんでした。
LOVE Cinemas 調布
2011年3月27日

わたしを離さないで
★★★★★ 舞台は過去のイギリスの田園地帯で展開する青春ラブロマン風。一番不可解に思われるのは、彼らはなぜ反抗し、抵抗運動を起こさないのかということ。けれど、彼らは両親から教育を受けたわけでもなく、まず隔離された厳格な寄宿学校で"教育"されていたのだ。原題の"Never Let Me Go"の本来の意味は「私を自由にさせないで」で、そういう感情が最初から刷り込まれ、洗脳されていることを暗示しているようだ。浜辺に打ち上げられた出航することは叶わない船に彼らが惹かれるのは彼らそのものだからだろう。
佐藤秀の徒然幻視録
2011年3月26日

「わたしを離さないで」心に刺さる。
時代背景が近未来などではなく"70年代〜"で、しかも映像全体が灰色というか青み掛かったような色合いで撮り上げられていますので、ちっとも非現実的ではなく、むしろ見ていて「ん?コレって現実社会で起きた出来事?」って感じてしまうくらいの錯覚に陥ってしまいました。"空想物語"なんですけれども、それをわかった上で見たとしても、強烈に心に痛く突き刺さるストーリーです。どうすることも出来ない、それが定められた"ルール"であるという、残酷な"現実"だけが残るのです。もお心が痛すぎて凍りついてしまいました。
シネマ親父の“日々是妄言”
2011年3月10日

わたしを離さないで
運命を静かに受け入れながら人生を送る彼女たちの姿がとても切なかったです。それにしても不思議な物語でした。長寿の世界という点ではSFですけど、メインはラブストーリーです。しかも時代が未来ではなく過去なので、英国特有の美しい風景の中で展開されて行きます。そして、その中でキャリー・マリガン、アンドリュー・ガーフィールド、キーラ・ナイトレイという役者を揃えて描く物語からは、淡い恋心と激しい想い、そして運命を受け入れて失って行く人生の切なさが伝わって来ました。観終わった時、切なさで胸がいっぱいになった1本です。
とりあえず、コメントです
2011年3月1日

映画* わたしを離さないで/ Never Let Me Go
衝撃的な事実に対する、あくまでも抑制された静かな語り口。主人公の心の奥底を流れる深い哀しみと人生に対する諦観が、全編に渡って流れていた原作。これらの雰囲気は、映画の中でも非常によく表されていて、主人公役のキャリー・マリガン、親友のキーラ・ナイトレイ、共にキャスティングも良かったと思います。映画の2時間では主要人物三人の思いやエピソードなどをかいつまんでしか取り上げられないために、読書のように観客が彼らに対する気持ちをはぐくむ暇が十分でないのが、残念。結果的に全体としては断然、本がよかった〜。
有閑マダムは何を観ているのか?
2011年1月7日

【TIFF2010】『わたしを離さないで』(2010)/イギリス
★★★★ 設定の異常さにも関わらず、物語は淡々と、むしろファンタジックにすら思えるテイストで進んでいきます。この状況に反発することも、抗議することもなく、自分の置かれた状況を受け入れていく人々。ヘールシャム時代からの一種の習慣として植えつけられている彼らにとっては、それが自然なんですね。悲しいことですが。その中で彼らがどう生きたか、どんな風に心境を語るのか。そのことの方が重要なんだと感じました。彼らにとっては、最後の拠り所となるものが 「わたしを離さないで」 ということだったのではないでしょうか。
NiceOne!!
2010年12月28日

わたしを離さないで(TIFF)
★★★★ ヘールシャムと子供たちの存在意義、考えるほど尋常な事ではないと思うのですが、それが"普通"となっている時代の設定です。ここに予告編からは想像できなかったやりきれなさを感じました。今と何も変わらない時代に見えるぶん、3人の役目、施設の存在が認められていることに異様さを感じてしまいます。子供たちが暴動を起こしてどうにかなってほしいと願っていましたが、持って生まれた管理システムが体内にあるのでしょうね。期待通りの展開にはならず、いいのかわるいのか、今、私は重めの余韻を引きずっています。
☆試写会中毒☆
2010年12月26日


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