ずっとあなたを愛してる:作品を観た感想(22)

映画『ずっとあなたを愛してる』重いけど優しいフランス映画
それぞれに痛みを背負い、全体的なトーンとして重苦しい空気に覆われています。幸せだけが人生でもなければ、寧ろ苦しいことや、考えることや、後悔の絶えない世の中だけれど、それを支えるのが家族であり、全てを受け入れて無償の愛を注ぐことができるのも、また家族なんだなと、改めて感じさせてもらえる作品です。万人にオススメすることができるような映画ではありませんが、重苦しい空気を包み込むような、自分が存在しているという当たり前の事実を実感させてくれる、優しさのある映画であることも確かです。幸せだけでは味わえないカタルシスのある作品。
映画マニアの徹底レビュー
2015年6月23日

ずっとあなたを愛してる
★★★★ 思ってた以上に良い作品でした。ジュリエットの傷ついた心をとても丁寧に描かれていて見終った後に余韻の残るお話。プチ・リスとの交流をきっかけに少しずつ心を開いていって、次第に妹家族との距離も縮まっていくと同時にジュリエットの表情が変わっていくのが印象的でした。自分の子を殺してしまったのに子供が立ち直るきっかけになるとは…。姉が刑務所帰りという設定はショッキングなものがありますが、淡々と進むお話の中で、ジュリエットがなぜ息子を手に掛けてしまったのかが気になってぐいぐい引き込まれました。
映画鑑賞☆日記・・・
2010年9月28日

ずっとあなたを愛してる
静かです。言葉少なに進行するストーリーには優しさがあふれています。塀の外には自分の存在出来る場所はないと思っていたジュリエットに、少しずつ光が差し込んでいくのが見え、悲しい過去があっても前向きに生きていける事を感じます。子供を持つ母として、"出来る事ならこの痛みを終わらせてあげたい‥"心の底にそう思う自分がいると思う‥。寡黙な女性が最後に見せた感情の波がすべてを理解させてくれました。そして、この作品の中には沢山の"愛"が溢れていて、世の中捨てたもんじゃないぞって思わせてくれます。家族って本当にいいもんですね。
ひばなのシネマの天地
2010年9月23日

ずっとあなたを愛してる/Il y a longtemps que je t'aime(映画/DVD)
★★★★ ハリウッドなのにハッピーで明るい空気に囲まれた作品でもなければ、全体的に重苦しいムードに覆われていて、絶望的な感じも否めないという欧州特有のフランス映画故に、万人にオススメすることができるような映画ではございません。が、そんな重苦しい空気を包み込むような優しさがある映画であることも確かでございます。幸せだけでは味わえないカタルシスのある素晴らしい映画でございます。
映画を感じて考える
2010年9月15日

ずっとあなたを愛してる/Il y a longtemps que je t'aime
★★★★ この映画、全体的なトーンとして重苦しい空気に覆われています。しかし、重苦しい運命を背負う人たちを理解し、または理解しようとし、静かに寄り添って、過去の幸せの記憶などを頼りに、殺人者だろうが何だろうが無償の愛を注ぐ様は、見ていて共感するところもあれば涙を誘われるところも多いにありました。幸せだけが人生でもなければ、寧ろ苦しいことや、考えることや、後悔の絶えない世の中だけれど、それを支えるのが家族であり、全てを受け入れて無償の愛を注ぐことができるのも、また家族なんだなと、改めて感じさせてもらえる作品でした。
『映画と音楽で生きてます』
2010年9月15日

『ずっとあなたを愛してる』 (2009)
この作品は、主人公と妹が、子供の頃に慣れ親しんだピアノ連弾の、童謡のようなものが印象的に使われていて、そんなことがキッカケで妹を受け入れるような流れになっています。彼女の心の変化は、罪の先にある人生の方向を転換したのではなく、もう一度、子供の頃から生き直す決心をしたように感じました。新しい輝く未来ではなく、生き直す「試練」が待っている。「償い」の視点を変えただけなのかもしれませんが、それは彼女や彼女を取り巻く人たちにとって、決して悪い選択ではないように思えた。彼女の明日の姿を暗示させる、素晴らしい作品。
よーじっくのここちいい空間
2010年6月7日

ずっとあなたを愛している 謎から謎へと見事な展開
誰もいない空港のロビーに疲れきって実年齢以上に老けた表情の中年女性がひとり座っている。そこへかけつけた出迎えの女性…。映画が始って観客としては、疑問だらけの状況に置かれるが、その真相を解明しようというミステリーの謎解きの楽しみが生まれる。この作品は、人間関係などの疑問を示しながら、その解明をしつつ、展開していく。その見事な映画術によって観客を映画の世界に引き込んでいく。描かれているのは重い内容であるが、この演出が、それを和らげてくれる。もちろん主演の二人の女優の魅力も大きく寄与している。
映画と出会う・世界が変わる
2010年4月10日

『ずっとあなたを愛してる』
決して語らなかった真実。なぜ我が子に手をかけたのか。刑務所という世間から隔絶された空間で刑期を全うし、戻ってきたものの、周囲の人間になかなか心を開き切ることができずにいたジュリエットが今、誰にも明かさなかった真実を妹に語ったことで、やっと"世間"との折り合いをつけた瞬間。この世界に再び足を下ろした瞬間。愛してる。リアにそう言われた今、ここに自分が存在してもいいのだと知って。ラストのセリフを聞き届けた時、そこには確かな"希望"が見えた。彼女はもう、明日を生きていくことを赦されている。
シネマな時間に考察を。
2010年3月19日

ずっとあなたを愛してる
最初に感じるのは、恐らくジュリエット自身が感じているのと同じ、ヒリヒリするような緊張感です。15年という拘置期間は、彼女自身が望んだものだったのでしょう。罪を問われることなく無罪放免されていたら、却って彼女はやりきれなかったはずです。いっそ自殺していたかもしれない。そして切ないのは、望んで得た刑罰でありながら、刑期をつとめあげても、ジュリエットが浄罪の感覚を得ることはできなかった、ということです。結論は出ません。しかしそれでも、ジュリエットに関しては、赦されてあげてほしいし、幸せになってほしいと思うのです。
キノ2
2010年3月10日

『ずっとあなたを愛してる』銀座テアトルシネマ
★★★ これは事件の真相を追う映画ではありません。あくまでも出所後のジュリエットの再生を描いた映画。ジュリエットの台詞は決して多くはない。けれども次第に妹に心許していく過程が、プチ・リスに慕われて喜びを感じる様子が、彼女が自分を取り戻していく様子がとてもよく描かれています。そして彼女達がいたからこそ、ジュリエットは過去とも現実とも向き合えるようになったのではないでしょうか。人と人との繋がり、家族の素晴らしさを感じられる作品でした。
映画な日々。読書な日々。
2010年3月2日

「ずっとあなたを愛してる 」生きていてもいいですかと誰も怖くて聞けないのだ
★★★★ 自分の罪を許せず、生きる気力を無くしたようにも見える。罪は許されるのか、それは誰が決めるのだろう。自分の気持ち次第とも思えるが、その傷が無くなる事はない。それだけは確かだ。自分の存在がまがりなりにも誰かの役に立つことが分かれば、それで少なくとも前に進むことが出来る。過去は消せないけれど、人は必ず再生しよりよい日々を送れると思いたいからだ。何かを強烈に直接的に伝えるような映画じゃない、けれどトリ肌が立つように胸を震わせ迫るものがあった。見方によれば怖い映画であり、そしてなんとも優しい映画だった。
soramove
2010年2月17日

ずっとあなたを愛してる
★★★★★ 期待に違わず素晴らしい作品。犯罪人の親族というだけで周囲から冷たい目で見られるでしょうから、妹としてもなかなかこの映画のようにサポートし続けることは難しいのではなどとは思うものの、この作品は、安易な回想シーンに頼らずに、すべて現在時点で物語が描かれるのです。逆にそのことが、表面的ではない、より深い感動を観客にもたらすのではと思いました。実に深みのある映画に仕上がっていて、心から感動しました。
映画的・絵画的・音楽的
2010年2月3日

映画*ずっとあなたを愛してる/ I've Loved You So Long
主題は、ジュリエットの再生になるのでしょう。姉の出所は、妹のリアにとっても巨大な人生の転機であり、ピンチでもあります。姉を愛し何とか助けたいと思う気持ちと、周りの様々なことの板ばさみになる苦しみ。二人の女優さんの演技は非常によかったです。色々な形で様々な人と関わり、やりとりをすることで、何かが少しずつ変化したり、凝り固まっていたものがほどけてきたり。それは目には見えないほどのゆっくりした過程かもしれないけれど…ジュリエットが、自分の人生をもう一度やり直していけそうなエンディングに、心から幸運を祈りたくなります。
有閑マダムは何を観ているのか?
2010年1月23日

「ずっとあなたを愛してる」
ジュリエットの夫は物語に登場しない。息子を殺してしまった妻が許せなく離婚している。妹の方が姉を案じる心を持ち、刑務所から出所し犯罪者の姉を引き取っているというのに..。彼女が徐々に心を開いて行く過程に存在したのが二人の少女。あどけない仕草や表情がジュリエットの心を開いて行く。病の末話すことが出来ない義父の部屋を訪ね、ただ一緒に居る..。それだけでジュリエットは安心感を得られるのだと感じる。フォレ警部とジュリエットの出会いと別れもドラマの中で重要な役割を果たしている。心に染みる素晴らしいドラマでとてもお勧めである。
ヨーロッパ映画を観よう!
2010年1月11日

ずっとあなたを愛してる
これでもかこれでもかと悲しみを出しまくられると、だんだんこの映画そのものの質がいぶかしげになってくる。きっとラストも、それほどじゃないんじゃないかと勘でわかって来るものだ。それでも、感動的な場面はある。養護施設の認知症の実母に面会するとレアがいる時、母は他人扱いしているが、レアが部屋から出てジュリエットと2人きりになると、フランス語から英語に切り替え、ジュリエットをはっきり認識して抱擁する。タイトルの"I'VE LOVED YOU SO LONG"はこの母にこそふさわしい。感動のシーンはここだろう。
佐藤秀の徒然幻視録
2010年1月8日

*ずっとあなたを愛してる*
もちろん衝撃的なのですが、私がそれ以上に感じたのは、なぜ当時彼女に味方してくれる人がいなかったのか?ということ。母親もダンナさんも拒否してしまってますが、私は彼女のしたことが理解できるし、もし友人だったら奔走して刑の軽減を求めるでしょう。それなのに、、どんなに孤独だったでしょう。むしろそのことが悲しかったです。でもこの世でたったひとりでも味方になってくれる人がいれば人間って生きていけるのですよね。そういう意味では事件前よりも何倍も幸せになれたのかもしれません。出来すぎ感のないハッピーエンドがうれしかったです。
Cartouche
2010年1月8日

『ずっとあなたを愛してる』(2008)/フランス
★★★★ レアにとって、自分の姉はかけがえのない存在だけど、自分の家族もかけがえない。家族を守れるのかという不安がそのまま姉への不信感となっていく。何があっても向かい合う姿勢が、ジュリエットへの信頼を取り戻すことにもなったのだろう。誰にも語られなかったジュリエットの罪。全て自分でかぶることが、せめてもの罪滅ぼし。しかしそれによって彼女は傷つき過ぎるほど傷ついた。彼女の一途な想いも胸を打つし、ミシェルの言葉もとても包み込むように優しくて。レア一家の見守る姿勢も、ジュリエットにとって心の傷を回復するのに大きく貢献したに違いない。
NiceOne!!
2010年1月7日

ずっとあなたを愛してる(IL Y A LONGTEMPS QUE JE T'AIME))
この映画、最初の段階から細々としたことについて「なんでやろ?」と疑問に思わせておいて、後からなるほど〜とわからせると言うのが幾つもあります。一つだけ、この姉妹の子供の頃の話が、いまいち飲み込めませんでした…。やっぱり家族って大事だなぁとか、親が子を思う気持ちって複雑だなぁとか、なんか当たり前のことをあらためて思ってしまいました。色んな意味でおすすめだと思いますので、気になった方は、ご欄になってはいかがでしょうか。
シネマクマヤコン
2010年1月7日

ずっとあなたを愛してる /IL Y A LONGTEMPS QUE JE T'AIME
★★★ やっぱり血の繋がりって重要。長く会っていなかった姉妹の絆を少しづつ描いていく。兄弟でも何でも話す関係もあれば、そうじゃない関係もあるけど、話すことで分かり合える、癒されるってこともあると思うから。殻に閉じこまらず話せる関係でありたいと、わたしは思う。何も理由も聞かず、家族もいるのに迎えてくれる優しい妹。たとえ息子を殺したというのに非難せずに。その母親ジュリエットを演じたのは、クリスティン・スコットトーマス。いつも<化ける>女優さんだけど今回も素晴らしかった。
我想一個人映画美的女人blog
2010年1月1日

ずっとあなたを愛してる
妹の同僚がジュリエットに言う台詞が印象的でした。もちろん悪に染まって相容れない人もいるのかも知れませんけど、全てがそういう人ではなく、受刑者もそうでない人も、結局は同じ人間なのだということを改めて考えさせられました。そして、ふとしたきっかけや運命で人生というものは大きく変わってしまうのだなあとちょっと怖さを感じました。ジュリエットがようやくレアに心を開いた時、ようやく本当に二人の心が結ばれた気がしました。エンドロールを眺めながら、心が温かくなったのを感じた1本です。
とりあえず、コメントです
2009年12月31日

ずっとあなたを愛している
★★★★ この手に負えない姉に対して、妹のレアは友人たちとの集りに姉を誘ったりして、辛抱強く姉の面倒をみる。そして姉が早く立ち直ってくれることを祈っている。その容貌も性格も、とても可愛い妹である。ほとんど会ったこもなかった姉。幼いときのわずかな記憶だけで、湧き出てくる妹の献身的な愛。三つ子の魂百までと言うが、星が降り注ぐような妹の愛こそ、このタイトルの本当の意味なのだろう。僕はそこに涙したのだ。
ケントのたそがれ劇場
2009年12月31日

ずっとあなたを愛してる
★★★★ クリスティン・スコット・トーマスの素晴らしい演技と、これが監督初挑戦とは思えないフィリップ・クローデル監督のとても丁寧な演出で完全に物語に引き込まれてしまい、主人公の抱える大きく深い心の苦しみが痛いほどによく伝わってきて、気がつくと頬を涙が伝わっていました。クローデル監督は本当に微妙な心の変化を決してあせらず端折らず丁寧に描いています。ショックでした。あまりにやりきれなく切ない事実に呆然とし、ただ涙が流れるのみです…。救いだったのは彼女が最後にきちんと自分の居場所を見出してくれたこと。
LOVE Cinemas 調布
2009年12月29日


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