刑事コロンボ 完全版16:作品を観た感想(2)

歌え!踊れ!
「刑事コロンボ/忘れられたスター」本作は観賞後にしみじみとした味わいを残す一方で、最後にグレースが見せる笑顔に女優と云う人種の抱える度し難いほどの業の深さを垣間見させる。ぞわりと背筋を走るものがある。彼女の病は脳髄に巣食っているのではない。きらびやかな世界にいた頃に感染した病魔が心に取り憑いている。いや、女優に限ったことではなく、女性一般に云えることなのかもしれない。女は怖い。
MESCALINE DRIVE
2008年12月1日

医は仁術
「刑事コロンボ/5時30分の目撃者」ジョン・コリアーの犯したのは衝動殺人。きっちりと青写真を描いた計画殺人とは異なり、幾つかの幸運が重ならなければそもそも犯人が偽装しようとも考えないだろう。幸運に乗って完全犯罪を成し遂げたコリアーの足を掬ったのは、コロンボに味方したたったひとつの偶然とコリアー自身の慢心だった。幸運に乗っただけの男が増長する姿は醜いものだ。その男の敗北感に歪む顔はやはり醜いが、しかしその表情こそ見たかったものだ。観客の期待を裏切らないのが娯楽の王道。実に清清しい。
MESCALINE DRIVE
2008年11月30日

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