彼女の人生は間違いじゃない:作品を観た感想(4)

映画評「彼女の人生は間違いじゃない」
徹底的に観照的態度を貫き通している。被災者に対し無用な同情もしない。只管どう生きるべきか当惑する様子を映し出す。しかし、色々と段階を踏んで彼らは自らの心のもつれを解いていく。その段階で一番大事なのか自分の罪悪感を消すという行為だったのである。これを観て原発を積極的に推進しようなどと思う人はいないだろうが、作者は政治的なプロパガンダを排している。そういう態度が却って“原発はダメだ”という思いに駆り立てる。これが廣木監督本来のフィールドの作品である。
プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
2018年9月26日

彼女の人生は間違いじゃない
★★★ 本作では、3.11の津波に襲われた福島の人々の様子が色々描き出されています。本作で描かれるみゆきと修の父娘関係は、世間から隔絶したところでごくひっそりと営まれているように見えながらも、お互いに突き放しているような雰囲気でもあり、どうも特異な感じがしてしまいます。
映画的・絵画的・音楽的
2017年8月23日

【映画】彼女の人生は間違いじゃない
まさしくこれこそ映画でしか表現できない震災へのアプローチだったのではないでしょうか。言葉では簡単に量ることのできない心模様が、瀧内公美の演技からグッと伝わってくるものがあって、終始彼女の演技に魅せられてしまいました、心の渇き、迷い、様々な感情が伝わってきて、見てたら何だか泣けてきました。終盤の映像は本当に素晴らしい映像描写でしたね、高速バスの中のシーンとか、とにかく映像表現が秀逸な作品でした。まあとにかく重いテーマの映画でしたけど、どこか心が満たされないまま生きている方の心には、きっと刺さる作品になっていたのではないでしょうか。
ただただ映画を楽しんでる人のブログ
2017年7月22日

「彼女の人生は間違いじゃない」:さりげなさと演出の力量
東京人の小生には、正直言って彼女の深い苦悩やなぜデリヘルで働いているのかということがよくわかりませんでした。そこまで心が壊れたり虚ろになったりする感覚は、やはりあの災害の当事者や当事者に近い人でないと実感できないのかもと思いました。主人公が福島−東京を往き来する高速バスの絵が、走るバスを捉えた遠景も、車内の彼女を捉えたショットも、何でもないショットなんですけど、やけに素晴らしかったです。
大江戸時夫の東京温度
2017年7月18日

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