日本の悲劇:作品を観た感想(6)

日本の悲劇(2013年7位)
日本の多くの人が、か細い糸の上を歩いているといえます。リストラ、鬱病、家族離散と義男に起きる出来事は不幸のてんこ盛り(そのうえ義男の妻子は東日本大震災で行方不明になっている)ですが、一歩間違えば、大多数の人に起きても不思議ではない悲劇。これを、自分に置き換えられて見られるだけの想像力があるかどうかが、この映画への思い入れにつながるでしょう。仲代、北村の演技合戦は映画ファンなら見逃せません。
映画好きパパの鑑賞日記
2014年1月8日

日本の悲劇
★★★ 仲代達矢は新劇の重鎮ですから、全体としてコテコテの新劇調になりかねないところ、本作は取り扱っている問題の大きさによるのでしょうか、新劇臭さはあまり感じられませんでした。ひどく重苦しいテーマを扱っており、またそれがモノクロの画面で強調されるのですが、小林政広監督の演出が巧みなためでしょうか、俳優陣の演技の凄さによるのでしょうか、こうした作品にありがちな嫌味を感じずに見ることが出来ました。主演の仲代達矢は、圧倒的な存在感を示していて感動します。北村一輝は、なかなかの演技力の持ち主であることがわかりました。先の短いことを自覚している父親の切羽詰まった気持ちが巧みに描かれている作品です。
映画的・絵画的・音楽的
2013年9月18日

日本の悲劇・・・・・評価額1700円
★★★★ 絶望の現在とほんの数年前の幸福な過去が交互に描かれる構成、一軒家の舞台をさらに絞り込んだ演劇的空間をカラーのシネマスコープで撮影し、モノクロ処理するなど、映画としての作りは極めて特徴的である。非常に面白かったのは、スクリーンの外をイメージさせる音響演出だ。仲代達矢と北村一輝の絶妙なコンビネーションによる、まるでライブの演劇の様に緊張感溢れる演技のせめぎ合いも本作の大きな見所だ。
ノラネコの呑んで観るシネマ
2013年9月15日

「日本の悲劇」:普遍性に至らず
巻頭からいきなり舞台劇のようです。観ているのが辛い映画でありますが、ちょっとテーマとして訴えたいことの焦点がぼけているように感じました。エンディングも『春との旅』に続いて、決まり損なったような印象でした。
大江戸時夫の東京温度
2013年9月8日

日本の悲劇(2013)
★★★ 本作はほとんどモノクロとちょっとだけカラーという極端化演出で現代日本の「悲劇」が描かれる。しかも、年金不正受給、末期癌、老人性引き篭り、自殺、リストラ、離婚、とどめは東日本大震災、よくぞこんなに「悲劇」をてんこ盛りできたものだと感心してしまうほど。リメイクじゃない現代版リアル無慈悲「東京家族」という雰囲気もないではない。スクリーンもほとんど暗いがストーリーも暗い。
佐藤秀の徒然幻視録
2013年9月4日

「日本の悲劇」
小さな家族が、今日本が抱える様々な問題を包括している。小さな事から大きな事まで。例えば雇用の劣悪化(特に若年層)、例えば介護問題、例えば社会人鬱、…酒しか楽しみがなく夫婦の会話も少ない老人、なかなか子供ができなかった夫婦、誕生した子供は妻の実家に入り浸りで息子実家に滅多に寄り付かない、とかいう小さな家族問題までもが、わずかなシーンに散りばめられている。正に、日本の旬の問題が表現されているのだ。淡々と、しかし、底知れぬ力強さで、日本の今を問う作品。家族の来し方行く末を問う作品。ずっしりと、今も私に問いかけているようだ。
ここなつ映画レビュー
2013年9月2日


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