トスカーナの贋作:作品を観た感想(12)

トスカーナの贋作(’10)
純愛、ではあるけれど、ちょっとメルヘン的な印象もあって、こういう大人同士が向き合って、というラブストーリーも、思えば初めて。後味は、まあ微妙。ストーリーに余韻を残す部分、こじんまりした街の背景とか、これまでの風味漂っている部分あって、特にメジャー女優ビノシュとのコラボの妙、という見応え感は残った感じでした。
Something Impressive(KYOKOV)
2012年4月18日

トスカーナの贋作
★★★ なんか不思議な映画だったな〜!最後までんーーって考えさせられた。二人は夫婦の真似事をするというか、ゲーム感覚で夫婦を演じているようにも見えるんだよね。だけど、次第にその真似事は本物の夫婦のようにさあ、15年間暮らしてきたお互いの不満をぶつけ合うんだよ。あれ?って思っていたら、新婚旅行で訪れたホテルの一室で思い出を語り合う二人。本当に初めて会った二人なの??感情をむき出しにした時点からウソかホントか?がなくなっていたんだよね〜。映像がきれいでしたね。光の使い方が本当に上手だな〜って思いながら見ておりました。
C'est joli〜ここちいい毎日を〜
2011年9月12日

トスカーナの贋作
キアロスタミの映画ではドキュメンタリーとフィクションの間の境界線を飛び越え、あるいはそれを消し去るという魔術のような演出が魅力的なのであるが、ここでもそのキアロスタミ・マジックは見事に発揮されて、見るものを惑わせる。夫婦と間違われた男女が、それをきっかけに夫婦であることを偽装するゲームに興じていくが、観客には、どこまでがゲームの偽りなのか、本当の感情なのかが判然としなくなる混迷状態に陥っていく。実は、その混迷状態にひたっているのが私には快感である。
映画と出会う・世界が変わる
2011年8月4日

『トスカーナの贋作』
果たして彼らの関係の真実は。どこまでが演技だったのか。ただ単に夫婦のフリに没頭していただけなのか。いや、はじめに他人のフリをしていた可能性だって否定できない。いずれにせよラストで男は困惑するのだった。フィルムの中に答えはない。なぜならカメラの向こう側に真実はない。問われるのはカメラのこちら側。ふたりの関係の真偽の程は、降りてゆく夜の帳の夜目の中に消えていく。戸惑いと心のざわめきは、やがて漂う思考を連れてくる。私が誰よりキアロスタミを敬愛する理由は此処にある。彼は必ず私達に思考と考察を与えてくれるから。
シネマな時間に考察を。
2011年6月3日

トスカーナの贋作
★★★★ 映画は、最初のうち美術品の贋作を巡る話と思わせながら、もっと広い視点から「贋作」を捉えているらしいことが次第に分かってきます。トスカーナに講演にやってきた英国人作家と、トスカーナで店を持つフランス人女性との関係まで「贋作」めいた雰囲気になってくるのですから。様々な解釈が出来る知的で楽しい作品です。
映画的・絵画的・音楽的
2011年3月12日

トスカーナの贋作
不思議な物語でした。遊びで夫婦の会話を始めるとそれがあまりにもリアル。二人の言葉の中にどれくらいの本心やどれくらいの真実が隠されているのかは分かりません。観ている方も惑わされつつも引き込まれました。画面全体にジュリエット・ビノシュの魅力が溢れていました。彼女の偽夫婦のなりきりようには笑ってしまいます。作家役のウィリアム・シメルの戸惑いながらも彼女のパワーに押されてついていくような様子も良かったです。観終わった時、惑わされたなあと思ったと同時に二人と一緒に不思議な1日を過ごした気分になった1本です。
とりあえず、コメントです
2011年3月6日

*トスカーナの贋作*
これは仕分けすとすれば、ディープなマイナーもので、評は大きく割れることでしょうが私は大好き〜。ふたりは一体夫婦なのか、そうではないのか?言いたいことは男女の視点の違いでしょう。こういうすれ違いって多分結婚生活が長い夫婦には日常茶飯事のことではないかしら?それらを極めて丁寧にそして自然に描かれていて、うんうんとうなずきっぱなしで心がずきずきを痛むことばかりでした。でも約束どおり9時がやってくると…ああ。もうこの終わり方もたまりません。郊外の街に向かう車内の様子のシーンは素敵!
Cartouche
2011年3月3日

『トスカーナの贋作』(2010)/フランス・イタリア
★★★ 映画全体がトリックのような雰囲気なんです。人が抱える願望、こうなってほしいという想い、それが叶わないながらも、強く持ち続けるあまりに世界までもが変わってしまうような錯覚を起こすこともあるのかもしれない。結局そこは偽物の世界でしかないのですが。その「念」が動かしていくものを覗けるとしたら…?という、過程として考えても面白いかもしれません。そういう意味で本作、実験的だなと感じました。その実験を、トスカーナの美しい風景や、ビノシュの妖艶な様にうまく絡めています。ルージュの赤はカッコよかった。
NiceOne!!
2011年2月26日

トスカーナの贋作
★★★★ 2人の会話は余りに自然。15年連れ添ったけれどすれ違いが続いている夫婦そのものです。しかも会話はやがて倦怠期の夫婦のような会話へと変わって行く。この後はやけに感情的。これには観ている方もますます混乱するのではないでしょうか。相当に集中してスクリーンを注視し、聞き入っていても、得られる情報では確信に到ることが出来ない。この2人のゲームはいつまで続くのか、そもそもゲームなのか、何故こんなことをしているのか…。結局2人はどういう関係だったのか…。しかしこの解らないことが心地良い、そんな稀有な感覚の作品でした。
LOVE Cinemas 調布
2011年2月24日

「トスカーナの贋作」
15年間連れ添った夫婦のフリする二人の会話がフランス語で交わされるのはとても自然。しかし、ラストまでこの二人はどこまで"PRETEND/フリして"いるのか分からない。ホテルのバスルームにこもったジェームズは教会の鐘の音を聞く。鐘は確か8回鳴った。彼女と車で出かける前、ジェームズは"9時には戻らなくてはならない" と言っている。鐘を聞いたあの後二人はどうしたのだろう?? 夫婦だからこそ理解出来る他愛ない会話で成り立つドラマ。私的にロマンティックなラヴ・ストーリーではなかったが、素晴らしく素敵な映画で、トレヴィアン!だった。
ヨーロッパ映画を観よう!
2011年2月23日

トスカーナの贋作 Copie Conforme
映画のキャッチコピー「偽りの夫婦は結婚の聖地で愛の迷路を彷徨」 まさにそんな感じです。「迷路」というか「アリ地獄」に入り込んで出られましぇ〜ん。ジェームズ大丈夫か〜?ゲームを続けてええのんか〜?目を覚ませ〜!美しいトスカーナの風景の中で繰り広げられているのは、果たしてラブ・ストーリーなのか?はたま[ミザリー]のようなホラーへ移行していくのか?…意味深です。最後のシーンのビノシュは妖艶だったなぁ〜。彼女たちのキレるきっかけや仲直りポイントが、女だけれど日本人の私にはわからんなぁ。う〜ん(汗)
映画の話でコーヒーブレイク
2011年2月23日

トスカーナの贋作
.★★★★★ これは真昼の妄想なのか。彼女の妄想なのか、ジェームズの妄想なのか。いずれにしても妄想もシミュレーションの一形態だ。極論的に言えば、「今の彼女」は「1秒前の彼女」の贋作だとさえ言える。ただ、愛の形式をシミュレーションできても愛そのものはシミュレーションできないのではないか。2人とも愛のシミュレーションに成功していない。愛は実体ではなく形式でしか表現できない、愛そのものがオリジナルな「オリジナルなきコピー」だろうから"贋作"は最初から無効だ。言い換えれば、愛はシミュレーションの動力源だろうから。
佐藤秀の徒然幻視録
2011年2月20日


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