千年の祈り:作品を観た感想(8)

mini review 10459「千年の祈り」
★★★ アメリカにまで来て、短い滞在期間中、自らも文化のギャップを体験する中で、子供との埋められない「距離」を理解していこうとする。その父親の愛情、保守性、おせっかいといった仕草をヘンリー・オーが魅力的に演じる。世代間ギャップは現代では見慣れたものだ。部屋の壁を挟んで、父と娘は長年の鬱屈をぶつけあう。言葉は通じても、そのことで傷つけあうこともある。家族と個人・伝統と革新・歳月と距離…ウェイン・ワン監督は静かに綴っていく。ラスト、二人は川べりのベンチで並んで座る。向かい合っていなくても、それぞれが相手のことを思い遣っている。
サーカスな日々
2010年6月10日

『千年の祈り』
ふたりの間の溝は少しだけ埋まったかに見えた。なんといっても親子なんだから。そこには何千年も前からの<祈り>があって生まれた絆がある。家族という同じ川を渡るために祈り続けた古からの縁。ぎこちなくても親子同士をゆわえた結び目はしっかりとあたたかい。そうやって人は人生の中で幾つかの結び目をゆわえていくんだろう。どこにいても幾つになっても父にとって娘はいつまでも心配なもの。娘にとっての幸せは、良き夫を持ち子を産むことが全てだと思っている。でもそれでいい。父親が娘に願うことなんて、それ以外にはないんだろうから。
シネマな時間に考察を。
2010年6月6日

『千年の祈り』 (2009)
やっぱり、ほんと、あっさりしたお話。でも、なんか、心のどこかにすぅ〜と、染み込んでいくみたいな「思い」で出来上がっている作品。別に劇的なことが起こるわけでもないので、短くまとめられている分、却って印象に残る味わい深い作品だったりします。感動と言うより、心の中でうなずいてしまった映画でした。
よーじっくのここちいい空間
2010年2月21日

千年の祈り
★★★★ 父と娘がベンチに並んで座って前を流れる川を見るときの光景は、お互いの会話自体は少ないながらも、二人の来し方を思いこれからのことを考えている様が実によく出ていて、感動を呼ぶものとなっています! 父と娘という普遍的な地平と、異国における少数民族同士の交流という特殊米国的な地平とが交錯して、素晴らしい映画に仕上がっているなと思いました。
映画的・絵画的・音楽的
2009年12月15日

千年の祈り
★★ 毎晩用事を作り、深夜帰宅する。一緒にいるのが嫌で父にツアーまで用意しようとする。しかし、父はそれにはのらず、鉄道の旅を選ぶ。イーランが生まれた時、父列車に乗っていてちょうど宜蘭(イーラン)駅にいた。娘と鉄道は切っても切り離せないもので、結局この父娘は最後まで折り合えないままなんとなく折り合ってしまうという、中途半端なままで終わる。ここら辺がリアルでいいのだが。この手のストーリーだとお父さんの若いころがフラッシュバックでというのがありがちだけれど、一切今現在の姿だけで憶測させるところが良い。
佐藤秀の徒然幻視録
2009年12月12日

千年の祈り
なかなか良い映画でした。淡々と進むんですが、父親役のヘンリー・オーの飄々とした演技が良かったです。特にイラン人マダムとカタコトの英語の会話のシーンが良かった。これで心が通いだす二人がなんか微笑ましい感じがしました。父親から見たら娘はいつまで立っても子供。もうええ歳なのに。部屋を詮索したり、説教じみたこと言ったり、娘からすると本当にいい迷惑。しかも娘は、幼いころから父親には不信感を持っているので余計に父娘の間にわだかまりが。最後はお互いに本音をぶつけることで、二人の関係に光明が見えてくるラストが良かった。
だらだら無気力ブログ
2009年11月29日

*千年の祈り*
父親にとって娘というのは何歳になっても自分の"子"。親目線なのですね。最初からかみあわないのは当然のこと。ところが中盤以降、時間が経つうちふたりの過去について自白していくようになり、お互いのことが少しづつわかり始めていきます。驚いたのはえ〜そんなこともお互い知らなかったの?っていうことばかり。ところで、この父娘の背景にあるのが中国の文化大革命の影響でした。とても地味で、見た後、感動が押し寄せてくるわけではありません。でもなにか伝わってくるものがあるし、ふとした折に思いだしそうな作品でした。
Cartouche
2009年11月27日

千年の祈り
最初のうちは父の過干渉にイライラしながらみていたのですけど、観ているうちに繰り広げられる会話ひとつひとつが身に染みてきました。たとえ相手を理解できないと思っていても、やはり親子の絆は強いのです。父の語られていなかった真実の言葉は、頑なだった娘の心を解かしていきました。思えばやっぱり私も、結局、一人の大人としての父のことはほとんど知らなかったかも知れません。作品を観ながら、つらつらとそんなことを考えていた1本です。
とりあえず、コメントです
2009年10月28日


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