ほかげ:作品を観た感想(1)

ほかげ・・・・・評価額1750円
★★★★★ 静かに迸る情念を感じさせる趣里が素晴らしく、「生きてるだけで、愛。」に並ぶ代表作となった。塚本作品は90分前後の尺がほとんどで、本作も95分とコンパクト。とてもシンプルな作りだが、映像が恐ろしく雄弁だ。特筆すべきは低予算を全く感じさせない美術で、女の家の畳の汚れが寄ってみると空襲で破壊され尽くした都市のミニチュアに見えるあたりはゾーッとした。観終わっても、心の奥底に重い石が置かれたような感覚が長く続く。三度、凄みのある映画である。
ノラネコの呑んで観るシネマ
2023年12月8日

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