歩いても 歩いても:作品を観た感想(24)

阿部寛 夏川結衣 樹木希林 / 歩いても歩いても
取るに足らない家族間のダイアローグを基軸に、物語はどこまでも淡々と進んで行きます。気心の知れた者同士が交わす何気ない会話の途中で、ふと何かの拍子に思い出したくない過去、触れてはいけない事情といった、いわゆる"地雷"踏んで、途端に場の空気が凍りつくといった瞬間。この映画は「地雷を踏んだ瞬間」の描写が非常にウマいんですよね。"地雷"とは、15年前、海で溺れ死んでしまった長男ジュンペイの存在。地味な映画ですが、これほどまでに人間の本性や悲哀を丁寧に、そして精確に描いた作品って、そうそう無いと思います。オススメ。
中川ホメオパシー 
2010年4月30日

映画『歩いても歩いても』を観て
日常の流れの中にストーリーが隠されていると言ったスタンスで考えるとこの映画を理解出来る。キチンとしたストーリーがある映画を想像し求める人にはこの映画は守備範囲外。是枝監督はこうした日常のありふれた生活の中に、何か失われたものがあるのではないかという問い掛けを常に散りばめている。一歩間違えると淡々と進み退屈しそうな作品だが、そうならないのはやはり脚本がしっかりとしているからである。
KINTYRE’SDIARY
2009年5月17日

歩いても 歩いても
特に何が起こるわけではなく、淡々と進み、終わります。劇中で作られる料理がおいしそうなこと。家族の象徴っ料理てなのでしょうかね。タイトルはとし子の思い出の曲の一節。テーマが劇中のセリフにもある
映画、言いたい放題!
2009年4月28日

歩いても歩いても
★★★★★ まるで自分の家族が集まった時を観ているようだった。一見すると穏やかに暮らしている老夫婦に見えるんだけど、子持ちのゆかりと再婚した良多のことを内心では許していない。息子のクルマで買い物に行くのが夢だと言ってた母。良多はそんなささいな夢さえも叶えてあげることができなかった。当たり前に思ってた親の愛情も、今となってはこんなに尊いものだったんだと、今更ながらに懐かしく・・・。
UkiUkiれいんぼーデイ
2009年2月15日

【映画】歩いても 歩いても
★★★ 何の説明もないまま物語が始まり、じっくり観ていくと次第に全容が明らかになっていくような感じが良かった。映画の中に是枝監督の死生観のようなものが盛り込まれてあったような気がする。また、誰かに捧げる映画のような雰囲気もした。ただどれも押し付けがましくなく、ゆったりと入り込んでくる感じがいい。いい映画を観た。そんな感じでシアターを後にできた。
新!やさぐれ日記
2008年10月23日

『歩いても 歩いても』プレミア特別上映 2008-No31
母親を演じた樹木希林さんが夫の原田芳雄さん、長女のYOUさん、嫁の夏川結衣さん、それぞれの立場と役割で交わす会話が、あまりにもテンポ良くて何度も笑わせてもらった。何年か前まではこんな風に話をしていたなと、樹木希林さんとYOUさんが台所で交わす会話を自分のことのように聞いていた。何も起きない114分だけど飽きることなく楽しんだ。食べ物に、会話に、たくさんの"お母さん"が込められている。
映画館で観ましょ♪
2008年10月4日

歩いても 歩いても
なんてことないある家族の一日を描いただけなんですけど、すごい引き込まれました。この映画は樹木希林とYOUがすごい良かったです。この二人の母娘の会話のやりとりがおかしくておかしくて。それと、息子の嫁役の夏川結衣も存在感あってとても素晴らしかったです。いやぁええ映画でした。
だらだら無気力ブログ
2008年8月30日

明日も生きていこう〜『歩いても 歩いても』
俳優たちの何気ないセリフや表情、古びた家のさり気ないショットが心の奥深くに沁みて、沁みて…。観終わってからじわじわと人生の重みを感じさせる佳作。日本の普遍的な風景、、平凡な住宅街のある夏の一日。しかしその「普遍」も、現代では既に失われつつあるのかもしれない。 樹木希林が巧い、巧すぎて恐ろしいほど。間に合わないようでも、どこかで必ず人生の帳尻は合っているはず。そう信じて、私も生きて行こう。
真紅のthinkingdays
2008年8月28日

【2008-174】歩いても 歩いても
★★★★サプライズもなにもない話だが、口だけで何もしなかった長女の婿への愚痴や『おばあちゃんの家』と言われることに腹を立てる小さな父親等、平々凡々な会話の中のおもしろさと樹木希林やYOUといった個性派(?)俳優の絶妙トーク等がクスリと笑わせてくれる。平凡なストーリーにゴンチチのBGMのまったり感がマッチし心地よい感じになれる。宣伝コピーでもある「いつもちょっとだけ間にあわない」というラストは、少し切ないな…
ダディャーナザン!ナズェミデルンディス
2008年8月13日

是枝裕和監督の「歩いても 歩いても」を観た!
成人して家を離れた子供たちと老いた両親の夏の一日をたどる家庭劇(ホームドラマ)です。食卓を囲む会話のなかで、家族のいたわりと反目をユーモラスに温かく、ときに切なく描く。家族というものの愛しさ、疎ましさ、心の奥底に横たわる残酷さ・・・。これといった特徴があるわけではない、どこにでもある「平凡な家族」の姿が、逆に観る者に共感を呼び起こします。
とんとん・にっき
2008年8月6日

歩いても 歩いても
真の自分とは、日常の裏の奥深くに潜んでいる、ありそでなさそな真実が、あってほしいであろう深い真実。日常の他愛もない、どうでもいいと思われる料理をはさんでの戯言がなければ、奥も糞もないのだ。というふうにも思えてくる。そして、いつも「ちょっとだけ間にあわない」ことの繰り返しの中で、過去を思い明日を生きようとすることによる今の自分と周りがあるだけだ、と思うのだ。誰が言ったか知らないが、こんなコトバがある。歩くのが嫌なら走るか立ち止まるしかない。
空想俳人日記
2008年8月6日

歩いても歩いても
実家に集まった家族の一日。「人生は、いつもちょっとだけ間に合わない。」自分の親の老いに気づいてはいても、なかなかこう優しく手を差しのべることが出来ない。元気なうちは、変に優しくすると、急に老いぼれてしまうような気がして、、いまだに親孝行らしいことなどしたことがない。とほほほ。歩いても〜歩いても〜小舟のように〜…
へでいくっ!
2008年7月23日

【歩いても 歩いても】
親はいつまでもいるものだと思っている。自分ももっと長生きするつもりでいる。もしも明日どちらかがいなくなるのだとしたら、そうしたら今日はもっともっと優しくできるだろう。そういう生き方をしたいと思いつつ…そうできないで後悔するのが人間なんだから…と優しい目で見ている映画だったような気がする。家族っていいな〜と思える、温かい優しい優しい映画です。
日々のつぶやき
2008年7月16日

歩いても 歩いても
実家で過ごす静かで美しい夏の一日。親子の微妙な距離感も、誰もが共感できる映画だと思う。でも最初から最後まで思いの自然な流れより演技力が先に来てる感じだった。平凡なストーリーで、演技力が勝負だからかな…演技派揃いだし。
映画初日鑑賞妻
2008年7月12日

『歩いても歩いても』
まるで実際にあったような家族の会話を新鮮なまま切り取って来て映画という花瓶に挿したような作品だった。この家族の中心にあるのは俺がこの家を建てたんだと主張する原田義雄ではなく母親役の樹木希林だ。会話の節々に彼女のなりのウィットに富んだ語り口がこの映画の良さを決定付けている。そしてそれが是枝監督作品に少し足りなかったエッセンスでありエキスとなっているように感じた。映画を観て改めて顔だけでも見せる、何もなくてもたまには電話をしなければとつくづく思った映画でもあった。
京の昼寝〜
2008年7月8日

『歩いても歩いても』 試写会鑑賞
終始なんとも言えない微妙な空気に包まれた映画なのですが、クスっと笑える場面も結構多かったように思います。そのほとんどは樹木希林に笑わされていたんですけどね。すごく”家族”というものを感じられる映画でした。きっとそれはいいところだけでなく、嫌なところ、残酷なところも描いているからこそ感じられるものなんだろうな、と。心にじーんとくる映画でした。
映画な日々。読書な日々。
2008年7月6日

『歩いても 歩いても』 久しぶりに実家へ帰った気分
タイトルにあるとおり、歩くシーンも多い。そしてそこに日常の‘生’というものを感じさせる。久しぶりに実家へ帰った気分−。そんな、しみじみと後にくる、映画です。それにしても家族のことを振り返るとき、夏の終わりの風景であることが多いのはなぜなのだろう。夏川結衣は、夏服と日傘がよく似合う。この映画、俳優陣もみんなすばらしいのですが、いい女優になったなあ、ってつくづく感じます。
ketchup 36oz. on the table
2008年6月30日

『歩いても 歩いても』
最近すっかり忘れっぽくなった母。もう現役医師を引退したのにバツが悪くて診察室から出てこない父。子連れの女性と再婚した次男。そのことをチクチク突つく母。話題にはのぼれど姿は見えない長男…。権謀術数が渦巻くように見えて、実は互いの考えていることなどみんなお見通しだ。表で笑っていても、裏では辛らつ。でもそれが深刻な事態を呼び起こすことはない。なにせ彼らは家族なのだから。そして淡々と続く本作で最も胸を締め付けられるのはラストシーンだ。
セガール気分で逢いましょう
2008年6月30日

歩いても 歩いても
★★★★ディテールの丁寧さが光る秀作ホームドラマ。長男の命日に集まった家族の一日を描く物語だ。食事、お墓参り、昔話と、特別なことは何もないが、それぞれの心のわだかまりを絶妙な会話で描く。特にどっしりと存在する母親役の樹木希林の、辛らつでユーモラスな演技が秀逸。コンプレックスとプライドが混じる主人公役の阿部寛も好演だ。
映画通信シネマッシモ☆プロの映画...
2008年6月29日

「  歩いても 歩いても (2008) 」
とにかく、樹木希林とYOUの絶妙な演技が素晴らしいです。他の出演者も良かったのですが、ダントツこの二人の掛け合いが素晴らしい上に最高に笑えます。単に笑いを呼ぶだけではなく、三世代の家族間の建て前と本音の部分を鋭くシリアスにそしてユーモラスというオブラートに包みつつ、その世代の家族の共感を呼ぶ素晴らしい作品です。きっとだれもが、自分の家族や親せきの一風景に照らして思い当たる節があることでしょう。
MoonDreamWorks☆Fc2
2008年6月29日

「歩いても歩いても」プレミア試写会
母と娘の会話が妙に笑えました。父はただの頑固なおやじかと思わせておいて、意外とかわいい部分もあったりして、みんながトゲのある言葉を言いながらも憎めない人たちばかりでした。「こんなこと我が家にもあるよなぁ」という日常を切り取っているので、共感できる箇所がどこかにあるはず。良多の義理の息子アツシが優等生っぽくて、ぜんぜん打ち解けないのが、だんだん笑みがこぼれるようになる過程がよかったですね。ほんわかとした作品でした。
まぁず、なにやってんだか
2008年6月27日

「歩いても 歩いても」
こんな当たり前の日常の会話だけを作品にしているわけだからものすごく時間をかけて脚本を作ったのだろうと察します。ほのぼのとした家族の光景の中には、現在無職の二男、子連れ再婚の嫁、姉の家族。両親は、医者を引退してもプライドが擦れられない父、そして良妻賢母な母。何気ないけどそれぞれが背負ったものを会話の中に詰め込んで、今の言葉で楽しむ。それぞれが自分の持ち味を生かして演じているので全員が素でやっているような錯覚もありましたが、そこが演技なんですよね。
てんびんthe LIFE
2008年6月26日

「歩いても歩いても」舞台挨拶試写会
どこにでもある自然な一日がドキュメンタリーのように描かれています。誰もが自分と重なるシーンが必ずあるでしょう。実家に家族が集まれば、他愛のない話で皆笑って、一日を過ごすでしょう。会話の中に、まったく不自然さが無く、自分達もこんな話をして過ごしている筈です。この映画の様に自然な会話の中からでも、これだけの笑いが取れるという事を知って欲しいものです。主役は阿部寛という事になっていますが、これはもう完全に樹木希林の映画です。
アートの片隅で
2008年6月26日

『歩いても 歩いても』
たった2日間の里帰りの中で、これだけ家族のやり取りをユーモラスに、それでいてこんなにもやるせない心のもやもやを吹っ切ることが出来ずにいるシリアスさが描かれている。ある意味、どこの家庭にあってもおかしくない悩みやそれぞれの距離感を持たせつつ、1つの家族の物語として描ききっていることへの作品の安心感は秀逸だと思うかな。静かに淡々と描かれる里帰りの中で、やっぱりよかったのはキャスト陣。特に母親役の樹木希林がよかった。
cinema!cinema!ミーハー映画
2008年5月27日


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