キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン : 象のロケット≪映画DVD総合ナビゲーター≫

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

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原題：KILLERS OF THE FLOWER MOON

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(C)画像提供 Apple ／映像提供 Apple
配給：東和ピクチャーズ

2023年製作米　（206 min）

監督：マーティン・スコセッシ　ディパーテッド　ヒューゴの不思議な発明　ウルフ・オブ・ウォールストリート　タクシードライバー
出演者：
レオナルド・ディカプリオ　タイタニック　ディパーテッド　レヴェナント蘇えりし者　ウルフ・オブ・ウォールストリート
ロバート・デ・ニーロ　ディア・ハンター　 RONIN 　アナライズ・ミー　ミート・ザ・ペアレンツ
リリー・グラッドストーン

ジェシー・プレモンス、ブレンダン・フレイザー、タントゥー・カーディナル、カーラ・ジェイド・マイヤーズ

あらすじ：1920年代のアメリカ。　戦地から帰還した男アーネスト・バークハートは、地元の有力者である叔父ウィリアム・ヘイルを頼ってオクラホマへ移り住む。　そこで先住民族オセージ族の裕福な女性モリー・カイルと恋に落ち夫婦となった。　しかし、2人の周囲で不可解な連続殺人事件が起こり始める。　町が混乱と暴力に包まれる中、ワシントンD.C.から派遣された捜査官が捜査に乗り出した…。　クライム・サスペンス。

原作：デイヴィッド・グラン『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン　オセージ族連続怪死事件とFBIの誕生』

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叔父ヘイルの欲にまみれた計画が、徐々に明らかになっていきます。　先住民の悲劇と連邦捜査局FBIの誕生を描く、実話から生まれた物語です。

＜スタッフ厳選超お薦め映画作品！＞
★★★★★
昔の西部劇には、白人入植者が作り上げた新しい街にやって来た一匹狼の流れ者や、賞金首の無法者、それを取り締まる保安官、野蛮なインディアン等がよく登場していた。フロンティアスピリット（開拓者精神）というと聞こえはいいが、先住民（かつてはインディアンと呼ばれていた）が平穏に暮らしていた土地に、白人の開拓移民が我が物顔で住みつき、先住民を追いやってしまったから争いが起きたのだ。そんなインディアンと白人の戦いの原因については、西部劇でも現実世界でも触れられることは少なかった。

本作は、実際にあったアメリカ先住民オセージ族の連続怪死事件を基にしている。FBIの誕生物語でもあり、捜査に挑むのは後半で登場する捜査官トム・ホワイト（ジェシー・プレモンス）。舞台は1920年代のアメリカ・オクラホマ州。1890年代に、オセージ族の居留地で石油が発見され、オセージ族は世界で最も裕福な民族の一つとなる。石油関連の権利は相続によって家族や配偶者にのみ譲渡することができた。オセージ族の莫大な財産は、政府の“保護”という名の下に白人男性の後見人が行い、かなりの額が盗み取られていたという。それでも大富豪なので、白人さえもオセージ族の使用人になっていたらしい。

主人公は、第一次世界大戦の退役軍人である白人アーネスト・バークハート（レオナルド・ディカプリオ）。彼は地元の有力者の叔父ウィリアム・ヘイル（ロバート・デ・ニーロ）を頼りオクラホマへやって来た。“キング”と自称する狡猾な叔父は、甥にオセージ族の資産家女性モリー・カイル（リリー・グラッドストーン）との結婚を勧める。当時、オセージ族女性と結婚する白人男性は、たいてい財産狙い。オセージの女は金持ちなので男に経済力を求めず、ハンサムな白人男を夫にしたがっていた。まるで成功した男が美女をトロフィー妻にするように。

レオナルド・ディカプリオ演じるアーネストは、欲に流されるお人好しでバカな白人だが、先住民への偏見はあまり感じられない。彼が惚れるだけあってモリーは美しく、無口で落ち着いており、強欲な白人連中の計画全てを見通しているような眼差しが印象的。頭が良く行動的な彼女が、なぜアーネストのようなダメ男を選んだのか理解に苦しむが、二人は恋に落ち結婚した。モリー役の女優リリー・グラッドストーンの、静かな演技と気品ある所作から目が離せない。

本作の撮影はオクラホマ州のオセージ居留地で行われ、可能な限りオセージ族の役をネイティブ・アメリカンが演じたという。先祖が白人から受けた迫害・虐殺・搾取・支配の事実を、オセージ族は世界中の人々に知って欲しいと思っていることだろう。近年、人種差別が特に表面化し事件や暴動も起きているが、黒人やアジア人同様、いやそのずっと前から先住民は屈辱に耐えてきたのだ。アメリカの白人VS先住民の黒歴史を世に知らしめるクライム・サスペンス。お薦め作品だ。

（象のロケット映画・ビデオ部　並木）

＜作品評価システム＞と＜高度マッチングシステム＞

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